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時価総額と価格の違い:安いコインが本当に安いとは限らない理由

コイン価格が低くても価値が低いとは限らない理由、時価総額と供給量の仕組み、そしてFDV・トークンアンロック・流動性から読み取れることを解説します。

データ2026年10月9日6分で読めます
このページの内容
  1. 価格が低い=割安、ではない理由
  2. 時価総額=価格×流通供給量
  3. 流通供給量・総供給量・最大供給量
  4. 完全希薄化後評価額(FDV)とトークンアンロック
  5. 出来高と流動性
  6. コインを比べる前の簡単チェックリスト

1枚あたり1セントにも満たない価格のコインを見ると、数千ドルのコインより値上がりの余地が大きいと考える初心者は少なくありません。しかし、1枚あたりの価格だけでわかることはほとんどありません。コイン同士を比べるには、現在どれだけの枚数が存在し、今後どれだけ増える予定なのかを知る必要があります。

価格が低い=割安、ではない理由

コイン1枚の価格は、2つの要素で決まります。市場がプロジェクト全体をどれくらいの価値と見ているか、そしてその価値が何枚に分けられているかです。八十切れに切ったピザは、同じピザを八切れに切ったものより安いわけではありません。1切れが小さいだけです。

発行枚数(供給量)は、プロジェクトが立ち上がる時点で決められます。数百万枚しか発行しないプロジェクトもあれば、数千億枚を発行するものもあります。供給量が非常に多いプロジェクトは、市場から高く評価されていても、1枚あたりの価格はほぼ必ず小さくなります。2つのコインの価格だけを比べるのは、それぞれのピザの大きさを知らずに、別々のピザから1切れずつ取って比べるようなものです。

時価総額=価格×流通供給量

時価総額(マーケットキャップ)とは、現在流通しているコイン全体に市場がつけている価値の合計です。計算式はシンプルで、時価総額=価格×流通供給量です。

架空の数字を使った例で考えてみましょう。コインAの価格は0.01ドルで、流通枚数は5,000億枚です。時価総額は0.01ドル×500,000,000,000=50億ドルです。コインBの価格は50ドルで、流通枚数は2,000万枚です。時価総額は50ドル×20,000,000=10億ドルです。

コインAの価格はコインBの5,000分の1ですが、市場はコインAにコインBの5倍の価値をつけています。供給量が同じままコインAが1ドルに達するには、時価総額が5,000億ドルまで増える必要があります。価格が小さく見えることに注目するより、それが現実的かどうかを考えるほうがはるかに役に立ちます。

流通供給量・総供給量・最大供給量

供給量の数字には主に3種類あり、データサイトによって定義が完全に同じとは限りません。

  • 流通供給量:現在存在し、取引できるコインの枚数です。一般的な時価総額の計算にはこの数字が使われます。
  • 総供給量:これまでに発行されたコインの枚数です。ロックされているもの、準備金として保有されているもの、まだ市場に放出されていないものを含み、通常は永久に消滅させられた(バーンされた)分を差し引きます。
  • 最大供給量:プロジェクトに上限がある場合の、存在しうるコインの枚数の絶対的な上限です。ビットコインはルールにより2,100万枚が上限と定められています。一方、決まった上限がなく、新しいコインが発行され続ける資産も多くあります。

流通供給量が総供給量や最大供給量より大幅に少ない場合、今後多くの新しいコインが市場に出てくる可能性があります。これは、いまそのコインを保有している人にとって重要なポイントです。

完全希薄化後評価額(FDV)とトークンアンロック

完全希薄化後評価額(FDV)は、存在しうるすべてのコインがすでに流通していたとしたら、現在の価格でプロジェクトの価値はいくらになるかを示す指標です。通常は価格×最大供給量、最大供給量がない場合は価格×総供給量で計算されます。

もう一つ架空の例を見てみましょう。コインCの価格は2ドルで、流通枚数は1億枚、最大供給量は10億枚です。時価総額は2億ドルですが、FDVは20億ドルになります。流通しているのは全体の10%にすぎません。

残りの90%は、開発チーム、初期の投資家、プロジェクトの資金庫(トレジャリー)などが保有していることが多く、スケジュールに沿って時間をかけて放出されます。この予定された放出をトークンアンロックと呼びます。もしコインCが1か月で新たに5,000万枚をアンロックすれば、流通供給量は5割増えます。需要が同じペースで伸びなければ、同じ買い手を奪い合うコインが増えるため、価格が押し下げられる可能性があります。多くのプロジェクトはアンロックのスケジュールを公式ドキュメントで公開しているので、購入前に確認しておくとよいでしょう。

出来高と流動性

時価総額からわかるのは規模であり、取引のしやすさではありません。出来高(取引高)とは、一定期間(通常は24時間)に売買されたコインの金額です。流動性とは、価格を大きく動かさずにどれだけ売買できるかを表します。これは、現在の価格付近にどれだけの買い注文と売り注文が並んでいるかによって決まります。

時価総額は大きく見えても、板(オーダーブック)に並ぶ注文がごくわずかなコインもあります。その場合、それほど大きくない売りでも価格が急落することがあり、多くの保有者が一斉に売った場合に実際に受け取れる金額を、時価総額が過大に示している可能性があります。また、一部のプラットフォームでは見せかけの取引によって出来高が水増しされていることもあるため、一つの情報源だけに頼らないようにしましょう。

コインを比べる前の簡単チェックリスト

  • 流通供給量は最大供給量に近いか、それとも大きく離れているか?
  • 時価総額とFDVの差はどれくらい大きいか?
  • 今後数か月のうちに大規模なトークンアンロックが予定されていないか?
  • 複数の有名な取引所で、出来高が安定しているか?
  • 自分の注文は、すでに板に並んでいる注文と比べて小さいか?

これらのチェックのどれも、コインが上がるか下がるかを教えてくれるものではありません。目の前の数字が何を意味し、自分がどんなリスクを負うのかを理解するための助けになります。

学習目的の情報であり、投資助言ではありません。暗号資産は価格変動が大きく、損失が生じる可能性があります。

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